〜トヨタから創造性が失われていく〜
労使交渉
トヨタの労使交渉の内容がYouTubeで見ることができることは知っているだろうか
3回目の話し合いが終わり最終局面に入ってきたところで
来週には回答があると思われる
100年に一回の大転換期だと危機感を持ち
会社側と組合側とで賃金や働き方の本音のトークが繰り広げられている
努力している人に報いる
トヨタは「プロになろう」という言葉を何度も出して
意識の変革を促している
自分の専門性を高めて自社のみならず
他のところでも競えるような人材を増やしたい思いがあるようだ
その意志があるものやリーダー格の人に対し
組合側も報酬を求めて交渉に至っている
つまり努力している人に正しい報酬を与えるということだ
「予告された報酬」がもたらすもの
心理学者のカール・ドゥンガーの「ろうそく問題」を使い
ニューヨーク大学のグラックスバーグが「予告された報酬」によって
どのような影響が出るのかを研究した
「ろうそく問題」とは
ろうそく、マッチ、画鋲がある下の図のような状況から
テーブルの上にろうが垂れないようにろうそくを壁に付ける方法を
考えてほしいというものだ
この問題の正解は下の図のようになる
画鋲の入っていた箱を土台にする発想により解ける問題だ
この問題を用いてグラックスバーグは
「早く解けたものに報酬を与える」と約束をした時の
回答時間を調べた
その結果平均4分ほど長くかかることがわかった
つまり報酬を与えることで発想力のいる問題を解く能力が
低下してしまうことがわかった
今後どうなるのか
報酬が得られるような制度になっていくことによって
もっといいものを作ることよりも
自分の報酬が上がる仕事を選ぶようになり
組織から創造性が失われていく
もう一度創造性のある人材が欲しいのであれば
バッターボックスに立ち失敗を恐れさせない風土作りと
報酬にこだわらず自分のやりたいことにチャレンジできる
環境づくりに取り組んでいってほしいと思う